瞬間、
「聞いた?スパ3つと、コーヒー2、紅茶1だって」
「スパ3、コーヒー2、紅茶1ね」
「スパ3、コーヒー2、紅茶1よ」
「はい、スパ3、コーヒー2、紅茶1」
鈴璃とは別ルートで伝達されていくオーダー。
「少し待っていて」
鈴璃が弟達に言って、
調理班にオーダーを出すころには、注文分の調理がすでに始まっていた。
「……いいけど。他のお客さんの注文をとばさないようにね」
ちょっと諦めていう鈴璃。
クラス全体が鈴璃の家族に興味をもってしまったようだ。
振り返ると、弟は興味深げに席から店のあちこちを見ている。
弟と目があったクラスメイト達は、例外なくにっこりと微笑み返していた。


