「それよりも、いつまでも見てないの。他のお客さんが待ってる」
鈴璃がしばらくダメになりそうなので、香織が代わって指揮。
それぞれ元の仕事に戻らせる。
戻りつつも、鈴璃の様子をちらちらと見るクラスメイト。
香織も、まあ、ちらちらと見守りながら動く。
鈴璃は、教室のあちこちから見張られつつ、家族を席につかせた。
「注文は?」
「僕は、スパゲティ」
メニューを見せると、弟は話していたとおりにパスタを注文した。
「じゃあ、私達も」
同じように注文する両親。
弟から、手作りの品についてい聞かされていたようだ。
「飲み物は?」
「コーヒーふたつと、高志は紅茶?」
「うん」
明るい返事。


