「ねぇ、ショウ」
「それ、俺の事?」
「うん」

ま、別に嫌じゃないからいいか。
朝食の片付けをしながら、俺はアキちゃんの話に耳を傾けた。

「ショウってバイトとかしてる?」
「ああ、直ぐそこの花屋で」
「時給おいくら?」
「割といいよ、800円くらいだから」
「へ~」
「何?バイト探してんの?」

机にぶっ潰しているアキちゃんを台所から覗けば、少し困った様に笑いながら、前のバイトがクビになったと笑った。
俺は、そっかと返して食器を拭く。



しばらくして、アキちゃんは自分の家に帰っていった。



ははは、本当にあの人は朝食を喰いに来ただけなんだな。
てか、真面目に性格が分からねぇ…。

単純ヤローだと、初めて会った時に言っていたが…それはどうなんだろうか。
確かに考え方とか単純だ(というかおかしい)と思ったりもしたけど、あれは単純ではなくて、ただのエゴだと思う。
俺からして、初めて会った人から行き成り傘貸して~とか、出会った次の日に行き成り家に上がり込んできて朝食作って~とか、



……ありえない。



人ってちょっと話してみたりすると、この人は面白いなとか、礼儀正しい人だなとか、そういう特徴みたいなのがある筈だと思う。
なのに、アキちゃんはそういうのを全く感じない。

唯一何か特徴があるといえば…





変。





……それくらいだ。