「そういえば、名前聞いてないよ」
「…名乗る程の者では御座いません」
「時藤、何?」
「何で名字…」
「だって表札」
あ、そうでしたね…。
「ショウノっていいます」
「しょーの?」
それを聞いたアキちゃんは、近くにあった広告を手に取り、ペンを要求してきた。
「どういう字?書いてッ!」
俺は言われるがまま、広告の裏に名前を書いた。
“相乃”と。
「へぇ~、何か変わってる~」
「アキちゃんはどう書くんだ?」
次はアキちゃんがペンを握って、すらすらと名前を書いた。
「“合希良”でアキラかぁ」
「良い名前でしょ?」
次は御箸に持ち替えて、またぱくぱくと御飯を食べだすアキちゃん。
大盛りについであげた御飯はいつの間にかアキちゃんのお腹の中へ。
アキちゃんの食べっぷり、男の子みてぇ…。
そうして今日の朝に炊いた3合のご飯は、殆どがアキちゃんのお腹の中へ入った。

