今まで普通に話していた人が目の前にいるのに、普通に話せないのって結構寂しいんだってことに気づいてから、ちょっとおかしくなった?俺。
傍にいるなら、“アキちゃん”が男でもいいって思っちゃってる?
な~に、冗談だろ。
男なんて、いつ何してくるか分かんねぇ。
そういうこと、俺が一番分かってんだろ。
…身を持って。
優奈との話にキリが付いたところで、2人は俺たちに背を向けた。
だんだんと離れていく距離は、まるで今の俺たちを示しているみたいに思えた。
そして、それが寂しいだなんて……、
絶対気のせいだ。
本当、どうしたんだよ俺は。
一瞬だけでもそんな事を考えるなんて、どっかで頭強く打って、おかしくなったか?
「どうしたの?そんな顔して」
「…そんな顔?」
「うん、何か思い悩んでる感じ?あッ!もしかしてショウ、春が来たとか!?」
「いや、どちらかといえば……氷河期…?」

