今日の朝御飯のメニューは、御飯とお味噌汁、出汁巻き卵に焼き魚にほうれん草のあえ物。
とりあえず、日本の定番の朝食ってとこ。
「アキちゃん、自分で作らねぇの?御飯」
「うん、だってダルイし」
即答で答えたアキちゃんは、パクンッと幸せそうに卵焼きを食べた。
さっきから落ち着きがなく、チラチラと部屋の中を見渡すアキちゃん。
いや、チラチラじゃなくて、これはジロジロと言った方がいいのかもしれない。
「何か、気になるもんでもある?」
「ん~、何かさ、男の子の部屋ってったら面白いものあるのかと思ったんだけど…」
「は?」
……男の子の、部屋ねぇ…。
「例えばさ、エロ本とかそういうの。ないの?」
…昨日の傘の一軒といい…、何なんだ、この人。
「残念、俺はそんな破廉恥な物は持っていません」
「ふ~ん」
自分から訊いてきたくせに、そんなの興味無いですよ~っていう返事。
「なんかさ、家具とかもシンプルでかっこいいけど…、うん、なんか雰囲気が女の子の部屋みたい」
「そうですか」
俺、こういう女は駄目だわ。
仲良くなれそうにない。
「昨日、何で俺がお隣だって分かったんだ?」
「一昨日の夜、コンビニに行ってそこの廊下歩いてたら、ちょうど君が家から出てきたの」
覚えてない?
と聞かれて、な~んとなく浮かんでくる一昨日の事。
確か、時計の電池が切れて、買いに行く途中にすれ違った人…だったのかな。
暗くてよく分かんなかったけど。

