少し距離を置いてちょこんと座れば、アキラくんは、置き物みたいだと言って、クスクスと笑った。

「そんな堅くなるなって。取って喰うわけじゃないんだから」
「く、喰う!?」

なんなんだろう、この人。
雰囲気が…スゴク、スゴク……

「だから、そんなに見詰めないでください〜」
「み、見てない見てない、見詰めてない!」

俺はブンブンと首と手を振ると、アキラくんは俺を指差して笑いだした。

うん、この感じ。



スゴク…アキちゃんに似ている。



何となくムカつくところが…ッ!!
あ、アキちゃんといえば…

「今日の朝、アキちゃんの部屋から出てきたよな?」
「ああ」
「アキちゃんとどういう関係なんだ?彼氏?」
「いや、そんなんじゃないよ。……親戚みたいなもんなんだ」
「へぇ〜、親戚で同姓同名なんだ」
「…あ、ああ」

その時、ポケットに入っている携帯が着信を訴えて震えた。
画面を開いて名前を確認すれば、優奈からだった。

どうしたんだろう。

「もしもし」
『や、止めてよ、離してッ!!』
「…優奈?」