それから、どのくらいの時間が過ぎたんだろう。
みんな、手の付けようがないくらいにメッチャ盛り上がって。
この部屋、冷房入れてんのにメッチャ暑くて。
俺はガックリと壁に寄った。
盛り上がっている空気の中、俺とアキラって人だけずっとこの場から動いてない。
あ、この人もこういうのに慣れてないのかな?
それとも、こういうの嫌い?
その時、パチンと目が合った。
「…何?」
「え?」
「そんな穴あく程見られたら、困るんだけど」
そ、そんなにこの人の事見てた!?
慌てて視線を逸らすと、アキラくんはクスクスと笑った。
あ、そういう顔するんだ…。
「ねぇねぇ、ショウくんは何か歌わないのー?」
ソファーの上で立って歌っていた(確か)ヒロヤくんは、こっちにマイクを差し出す。
「あ、俺は…音痴だから。遠慮しとく」
「え~、そう言わずにッ」
ズイッと俺の前に差し出されるマイク。
それを受け取らずに(というか受け取れなくて)困っていると、優奈ちゃんはそのマイクをヒロヤくんから奪い取った。
「なら、私が歌いますぅ」
マイクを握って、優奈は席を立って画面の方へ。

