相合傘




今日集まったメンバーは、全員で10人。
男子5人、女子5人。

…いや、性格には男子4人、女子6人だ。

「それじゃー、まずは自己紹介から~」

キャーキャーと盛り上がる皆さん。
隣に座っている優奈も、手を上げて何やら興奮状態。
ああ、そういえばこの前水族館に行った時、アキちゃんもこんな風に興奮していたなぁ。

「じゃ、お次の方~」


司会をしている彼が、あの無造作ヘアー君にマイクを渡した。

「…アキラです、宜しく」

アキラ?
…アキちゃんと、同じ名前だ。

「おいおい、それだけか?」
「ああ、情報社会の今だから。個人情報は出来るだけ守らないとな」

一見クールそうな彼は、はい、と向かいに座る俺にマイクを手渡した。

「あ、ショウと言います。宜しく」
「え~、ショウくんも名前だけ?」
「う、うん…。ゴメン」

隣に座る優奈にマイクを渡して、俺はふぅと息を吐いた。
こういうのって、慣れてないからなぁ…。
ていうか、『男性恐怖症』だから、合コンなんか参加しない。

はぁ…無駄な神経使うわぁ。