アキちゃんは痴漢を受けたにも関わらず、この後スッゴク普通で。



凄く心が強い人だと思った。



そして着いた品海水族館。
着くなり行き成り、アキちゃんのテンションは…

「わぁ~~~、ちょっと、ショウ!ほらほら、フグだ~、可愛いー!!」

MAX状態……。

グイグイと俺の袖を引っ張って歩くアキちゃんの目は、本当にキラキラと輝いていた。
いや、キラキラというより、ギラギラだ。眩しいったらありゃしない。
あっちへこっちへ引っ張って、キャーキャー騒ぎまくる。
…周りの人の視線が…痛い。

「アキちゃん、魚好きなの?」
「ん~、魚だけじゃないよ。基本生き物はみんな好き。ゴキブリとかは…嫌だけど」

好きだって言う方が、凄いです。

水槽で作られたトンネルの下を歩きながら、アキちゃんは俺が肩から下げているショルダーの紐を握った。

「何?」
「なんとな~く」

そういうアキちゃんの視線の先には、こっちの方に歩いてくる男の人たち。
その人たちは、ただ俺達の隣を通り過ぎた。

すると離される、その手。



…もしかして、気遣ってくれたのかな?