そして7分後、アキちゃんが黒いボックスを手に、部屋に入ってきた。

「あ、ショウ……ま、いっか」

アキちゃんは一瞬驚いた様な顔をしたけど、ちょっと残念そうに笑った。
それは、俺がそのワンピースの下に、デニムショートパンツを穿いていたからだろう。

「ちゃ~んと守って下さいよ?」
「はいはい。うん、それでいいや、頑張りました」

そういいながらアキちゃんは、俺の頭をよしよしと撫でた。

「さ、頑張り屋さんにはご褒美しましょー」

俺に机の前に座るように促すと、何やら黒いボックスに手をかけた。
かちりと音が立って、開かれたその中には、沢山のお化粧品。
そして、目にも止まらぬ速さで、アキちゃんは俺を別人にした。

渡された手鏡の中に移る自分は…

「……誰、コレ」
「ショウ以外に誰がいるの」

完璧に、何処からどう見ても、



女の子でした。