誰が、誰を?

それを聞いたアキちゃんは、さっきと同じ様に指で答えた。



通訳すると…、アキちゃんが……お、俺を守るんだね。



「や、別にいいって、そんなの」
「そんなのって、そんなのじゃない!男が怖いんでしょ!?それだったら将来困るよ…ッ!!」

…え~。
将来結婚したいとか、それ以前に誰かと付き合うことは無いだろうし、男の人を好きになれそうにない。や、だからって女が好きでもないけど…。

「困らないって。結婚とか、誰かと付き合う気無いし」
「で、でもそれってさ、痴漢とかから女の子を救ったことがある男の人に対して失礼だよッ!!」
「あ、うん…」

アキちゃんの勢いに釣られて、何故か頷いてしまった俺。
…言ってること、なんかおかしい気がするけど……、何でそんなに必死なんだよ…。

「だからさ、」
「だから?」
「一緒に頑張って、『男性恐怖症』と戦おうッ!!」
「……ぇ?」

…俺が男の人怖いから、『男性恐怖症』ですか?
てか、そんな症状が実際あるんスか…?

眉間に皺を寄せてアキちゃんを見れば、アキちゃんは何やら、わくわくとした様子。

「お、そうだ!まずは一緒にお出かけしようッ!!」
「……は?」



何故そうなる…ッ!?