「キツイでしょ?眠ってなよ」
「…うん、なんか、ゴメン」
「いや、いつも美味しい御飯食べさせてもらってるから、いいよ」
「……ぅん、ゴメン」
それからのことは、何も覚えてない。
次に目が覚めたのは午後の1時半。
机の上には風邪薬と、ペットボトルに入った水にコップ。
そして置手紙。
アキちゃんも午前中は大学の講義だったみたいだ。
午後からは花屋でバイト。
店長には事情を話してくれるみたい。
一応、お粥は上手く出来たみたいだね、キッチン壊れてなくて、一安心一安心。
ダルい体を無理やり起こして、とりあえずお粥をお茶碗についだ。
ああ、これは卵粥だね。
あまり食べれないだろうけど、折角作ってくれたんだから、食べてあげないと失礼かな?
湯気を立てているお粥を口に含めば、とろりと卵の味や白だしの味が口いっぱいに広がった。
何も作れなさそうだったけど、結構美味しいもの作れるじゃん。
そう思いながら、俺はアキちゃんの作った卵粥を、お茶碗いっぱいはぺろりと平らげた。
瓶に入った錠剤の風邪薬のラベルを剥いで、俺は用法・用量の欄を読みながら、ある事が頭を過ぎった。
あれ?アキちゃん、手紙に大学の講義があるって書いてたけど…、大学通ってんの?
何処の大学だろうと思いながら、俺は3粒の錠剤を水と一緒に胃の中へ流しこんだ。

