アキちゃんって、よく見れば(マスカラ塗るっているから分かり難いけど)目はキリリとしていて、顔の輪郭は整っていて、手はちょっと骨張ってる感じ…?
あれ、女の子の手って、もっとこう…丸みがなかったか?
そう、例えば……
「ショウ?」
「え?」
俺の視線に気づいたのか、アキちゃんは首を傾げてこちらを見た。
「何?そんなにジロジロ見て~、惚れた?」
「…いや、それは絶対にありえません」
だって、第一俺は…
「あ、そうだ。忘れないうちに返しとかなくちゃ…、はい」
アキちゃんは自分のポケットの中から鍵を取り出して、それを俺の掌にのせた。
「コレ、何の鍵?」
「ショウの部屋の鍵!」
「……は?」
俺は鍵からアキちゃんへと視線を動かせば、満面の笑みのアキちゃんと目が合った。
…この顔の時のアキちゃんは、とんでもない事を俺に言ってくるよな……。
「いや~、あのさ、毎朝毎晩インターホン押して~、それでショウが出てくるまで待っとくのって、時間もったいないじゃん?」
そう言って、アキちゃんはポケットの中からもう一つ鍵を取り出して、宙に上げては、取ったり。
「…あの、話が読めな…」
「だーかーら、合鍵作らせて頂きました~☆」
「はぁ!?何ソレ!!そのくらいの時間我慢しろ!!今すぐ合鍵寄こせぇー…ッ!!」
「だからこれからは、勝手にかつ行き成りお邪魔しますので」
「勝手に話を進めるな!!」
冗談じゃないっ!!
これ以上コイツの思う通りになっていったら、俺の自由時間が減っていくじゃん!!

