「バカか。」
フウっとため息をつく陸にあたしはドキッとした。
「ものなんかいらねーよ。第一、俺に何にもしてないみたいに言うけどな、お前がいるから俺は頑張れるんだ。」
赤くなった顔を隠すためか、口元を手で隠す陸にあたしは泣きそうになる。
「本当？」
「ああ、当たり前だろ。てゆうか、なながいなきゃ絶対無理だし。」
「何で…。」
何でそんな嬉しいことばっか言ってくれるの？
我慢していた涙腺が一気に緩んであたしの目からは大粒の涙。
「ばか～…泣いちゃったじゃんかあ。」
そう言いながらあたしはギュッと陸に抱きついた。
答えるようにして陸も抱きしめ返してくれて…
「バカ。お前が思ってるより、俺はずっとななのこと好きだよ。」
「う～…陸、今日優しい。」
こんな甘い言葉絶対言わないのに。
おかげであたしの心臓バクバクだよー…
「ななのせいだよ。」
へ？
「ー…だあ！もう、なんつうか、お前今日…。」
「…何？」
何故か照れた表情。
あたしまで照れそうになっちゃうよ？
