目の前にはおどろいている陸の顔。
きっと誕生日のことも忙しくて忘れてたんだね。
「あのね、プレゼント。」
鞄から取り出したのは小さくラッピングされてた袋。
「それね、おたしとおそろいなの!ほら、」
そう言ってあたしはケータイを取り出す。
そこのはゆらゆら揺れるストラップ。
「あたし達さ、おそろいのものなんて持ってないから…欲しいなって思って。陸の誕生日なのにあたしのほうが嬉しいなんてダメだなって思ったんだけど…。」
どうしても欲しかったから…
そう言おうと思ったのに、不意に陸に抱きしめられて…
「ごめん…。」
ポツリと呟かれた。
「陸?…何で?」
悪いこと一つもしてないじゃない…
そう思いながらも久しぶりに抱きしめられた感触、あたしの大好きな陸の匂い、そして何よりこの安心感にあたしは泣きそうになる。

