そして夜。
日付が変わる少し前。
普段はこんな時間に陸の家に言ったことはない。
この時間っていったら逆に帰る時間。
そんなことを考えながら陸の家の前にたつ。
ピンポーン
いつものチャイムを押して…
いつもの陸が出てくる。
「入って。」
少し眠たそうな顔。
きっと仕事で疲れてるんだ。
いつもと変わらない陸の部屋。
だけどいつもより散らかってるのは気のせいかな?
ソファに座る陸はあたしに目をあわさない。
やっぱり…気まずいよね?
「陸、ごめんね?」
あたしの声にピクっと陸が反応したような気がした。
「関係ないなんて嘘だよ。」
そう言ってあたしは陸に近づく。
陸の目の前に…
「陸…。」
やっと目、あわせてくれたね。
「誕生日おめでとう。」
時計の針は12に。
日付が変わった。

