「だから言うのヤだったんだよ!つーか友達がこんだけボコにされてんだから笑うなよ!」
「いや…うん…………それはほんとにその…申し訳ないとは…」
「もういーよ」

春樹は頬っぺた膨らまして顔を反らした

「いやゴメンて。だってまさかそんなベタな…」
「俺だってマンガじゃねんだよとは思ったわ!でもマジなんだから仕方ねーし。したら顔蹴られた」

春樹は眉間に皺を寄せて目の痣を指差した

「大祐は変な事に巻き込みたくないから、爽樹には後でちゃんと伝えとこうね」

と言うと春樹は黙って頷いた。
そして右手を差し出してくる

「何この手」
「と、いう訳で俺怪我人だから古語辞典貸して!」
「普通に忘れたって言えバカ」