校舎を出ると、ぽつぽつ雨粒が降ってきた

「雨?」
「ほんとだ。大祐、傘持ってねーの?」
「陸が入れてやるって」
「俺かよ!?」
「いいよ別に小雨だし。大体男で相合傘とか侘しい以外の何者でもねーし」

笑いながら校門を出た
いつもは二つに別れる道を大祐は俺と陸と一緒に来た

「あれ?大祐って電車だったっけ」
「あ、俺今日、塾。春樹は何処行ってんの?」
「俺はほら、駅前の」
「あー、あそこか。じゃあ俺ん所と近いわ」
「マジで?全然知んなかった」
「俺も大祐と同じとこ行き始めたぜ」
「「…陸、遅くね?」」
「何でハモんだよそこでっ」

いやいやいや、遅くね?
お前、幾ら大学決まってるっつっても一番アレなんだから
陸の飲み込みが早いのは知ってるけどな

駅前までギャーギャー騒いで、大祐と陸、俺に別れてそれぞれ塾に向かった





もうすぐ年末だし、クリスマスくらいは雪姫とデートしてぇよなー
「それよりも勉強しろ」って言われそうだけど