「?」
「お、大祐ー」

顔を上げると首にタオルをかけた大祐が超笑顔で立っていた

「何、春樹が教えてんの?」
「ああ。ほんとどうしてこうなった」
「出た。春樹のオタク発言」
「オタクじゃねーし」

大祐は俺の反論を軽くかわしながらロッカーを漁った
冬にしては暑そうだった。つーか、シャツ一枚だし
陸は椅子を揺らしながら大祐に聞いた

「大祐、部活にでも顔出したのか?」
「あ?ああ、汗?ちょっとさっきまで体育科のパシリで1階から4階まで往復してたんだよ」
「へー…」

大祐、体力あるよな。陸もだけど
まだ部活に顔出すとかすげーな。俺全然だわ

「でももう帰るし。春樹と陸も帰ろうぜ」
「おー」
「え、春樹、帰んの!?」

俺が席を立つと陸がガタッと椅子から落ちそうになった

「お前帰んないのかよ」
「いや、俺まだ聞きたいとこあるし!」
「あーもー数学科の先生に聞けよ。スズちゃんとかさ。残りは俺もよく分かんねーし」





「行かねーの?」
「あ大祐、俺は帰る。今すぐ帰る」


「待てよいや待って下さいっ」