「で、ここなんだけどさ」

陸のシャーペンが散々赤でマークしてある教科書を指した
俺はそのシャーペンの先をへし折ってやりたいと思った

「だァから、ここは取り敢えず円の中心と直接の距離なんだからdとするだろ!?」
「えっ?あ…………そうだった。ははっ、春樹頭いいなー」
「お前が人の話を聞かなさ過ぎんの!」
「ん――


そうだな――

そうかもな―― 」
「……………………」

能天気に言うなボケ

普段陸に勉強を教えんのは雪姫か慧
何で今日は教えて貰う立場の俺が教えてるのかというと、単純に慧も雪姫も居ないから
陸は英語の力は有るけど数字に弱すぎて予想以上にすげー大変だ

俺はため息を一つつくと、カチンと陸のシャーペンを自分のシャーペンで跳ねた

「はい次々。これは?三角関数は得意だったっしょ」
「あー…!いける気がする!」
「気がする!じゃねーっつの受験生」

陸がガツガツ問題を解いてる間、俺の視線は英単語帳
ダリーな英単語。マジで











「うわ、お前等こんな教室で野郎二人とか切ねーな」