「あ、いい所に。柴崎君」
「はい」

職員室に担任に学級日誌を出しに行った放課後
返事をして振り返ると、教科書を小脇に抱えて長い白衣を着た理科教師

「ごめんね、今忙しい?」
「大丈夫ですよ。何ですか?」

爽やかに少し困り顔で笑って、ドアの前に積み上がったダンボールを指差した

「あれ、化学室まで運ぶの手伝って貰える?」
「はい」

担任に会釈して、職員室を出た
すると外には、ノートとペンを持った花田

花田は俺の隣で箱を持ち上げた先生に駆け寄った

「吉田先生、生物で聞きたいとこが…」
「ああ、うん。その前に花田さんもこれ運ぶの手伝ってくれる?」
「分かりましたー」