「ったく…」

って言っても、慧と未月をからかってばっかの俺が悪いんだけど…
こんなにあんのかよー…

「えーっと…」

つか、原稿の題材…

パラッと原稿用紙の間に挟(はさ)んだプリントを見た

「!!」

くるっと慧を見た

「………」

慧は無言で小さくうなずいた
プリントの下に小さく達筆な慧の字で

《仕事。ハッキングよろしく》

って…


《ピロリロリン♪》

「??」

その瞬間、足元の自分のスクバの中から音楽が流れた
パソコンにメールが届いたんだ

ガチャッ

画面を開いてメールを見ると、俺達のボス。朱雀さんから何かのアドレスだけが送られてきた



「今日中は無理そう。原稿」

いいよね。《ハッキング》っていう仕事あるし


「無理じゃない。原稿も今日中で」
「何ッ!?」
「さ、俺の仕事終わり。未月は?」
「あ、私も…」


一ノ瀬 卓真-イチノセ タクマ-
3年A組
天才ハッカー