「でも、その慧の彼女も心配だねぇ」

朱雀さんがのんびりした口調で呟いた
全く緊張感が感じられないんすけど…

「え、何で?オレ、未月ちゃんはもっと無いと思うよ」
「うーん。そうじゃなくて、俺がもし敵に大切な人が居たら、先ずその相手を狙うからね」
「あー…確かにそうだねぇ。オレ独り身ー。切なーっ」
「……………そうですね」

慧は淡々と答えた
俺も、陸にもそれは当てはまるよな
雪姫は朱雀さんの判断でココ抜けた訳だけど雪姫パパ居るにしても心配
爽樹も未月ちゃんも
まぁ、大切って彼女とか彼氏に限った話じゃねぇし
陸にとっての大祐とかも十分弱みになる存在
俺達6人は皆人付き合いが下手じゃねぇし、同じ学校の人でも相当知り合いは沢山居るし

正直、俺等って弱みいっぱい?友達多いのは悪い事じゃねぇけど

「あんまり1人にしないようにね。慧だけじゃなくて卓真も春樹も陸もだよ。皆よりも先ず最初に周りが危険に曝(さら)されるかもしれない」



「その内の何人かが敵と繋がっているか分かりませんが」


「「「っ!!」」」

振り返ると周さんだった
いつの間にかドアの前に立ってて、朱雀さん省いた3人は皆ビックリした