「ッ!?」

振り返ると、良かった。仲間だ
倒れ込んだ知らない生徒と、その中に立ってる陸

「…………ああ、君はもしかして、武道の強い飯野陸君?」



「…誰?っつか、うちの生徒じゃねぇよな。何してんだ?」

陸が(慧程じゃないけど)怖い顔してこっちに寄って来る
流石に慧相手じゃ部が悪いと思ったらしい(そこら辺の判断は賢明)。銃口をオレ達に向けたまま後ずさりした

「っおいっ」
「騒がないでね。流石に普通の人にこんな物持ち歩いてるの見つかるのはマズイから。大学受験も控えてるし。じゃあね」

動けない陸からじりじり遠ざかると、革のスクバにソレを放り込んで走り出した
慧は逃がすかと走り出すと、女の子は振り返って大声で

「あたし達の上?そうだね。確かにあたし達には上が居るけど、あなた達の凄く近くに居る人だよ!」

「待っ…」

「柴崎慧君、あなたの友達かもしれない!
 一ノ瀬卓真君、あなと同じ委員会かもしれない!
 飯野陸君、あなたの物凄く親しい人かもしれない!!」

「はあっ?それってどういう…」

「忘れないで!あたし含めた何人も、あなた達が嫌いなの!!!!」

陸が叫びだすのを遮って、しっかりと縛った長い髪をなびかせて、名前も知らない銃刀法違反の女の子は爽やかな笑顔で颯爽と叫んで走り去った









「慧先輩っ、お待たせしましたっ」

それから数分後、可愛い未月ちゃん登場