「…さてと!!」

体育館の1階で、今は部活の時間
体育館に居る生徒は何らかの部活に所属していて、俺以外は皆剣道着や柔道着
ぶっちゃっけ制服の俺、浮いてるし

壁にかけた時計を見て、腰を上げた

未月と慧を2人っきりにさせて10分
もう戻ってもいいよな?

「帰りますか」

俺も一応、生徒会役員だしー
…道連(みちづ)れだけど…ふっ

「!あれ…」

ガラガラと空手部の部室のドアが開いた
さっき俺と一緒に抜け出してきた空手部準エース大祐は…

「お、卓真帰る?」

空手着に着替えて出てきた

「あれ…マジで部活しちゃうんだ?そのまま?」
「おう。生徒会で最近、部活できなかったしー」

じゃあ、帰って慧に睨まれんの俺だけかよー…
大祐は裸足(はだし)で体育館の床をペタペタ歩いた

「それに、俺は仕事終わったしな。お・れ・は!!」
「う………」

そう。大祐は仕事終わってるけど…
俺は終わってない…

あー絶対怒られるわー。生徒会長(慧)に…

「よォーし陸!!組み手やろーぜっ」

張り切る大祐の声を背中に、俺は猫背で体育館を出た
はあーっ…
からかうの楽しいけど生徒会めんどくさ…