暫くして仕切り直しと言うように朱雀さんが手をパンパン叩いて立ち上がった

「さてさて、うちのお姫様が居なくなったのは寂しい事だけど」

「お姫様。って言うより女王様だよな」
「春樹と雪姫の関係が心配だよ…」

「こないだ慧の言ってた才女の、えーと、誰ちゃんだっけ?」
「花田さんです」
「そうそう。花田さんの行動も気になるし、皆の友達にも何時被害が出るか心配だ」
「まだ彼女が何者か分かった訳じゃありませんよ。たまたまかもしれないし」

おお、珍しい
珍しく慧が朱雀さんの話に口を挟んで反抗した

「珍しいね、慧。もしかして、彼女?」
「違いますよ。俺には後輩の彼女が居ますから。只の友人です」

そう言った慧の表情は苦しそうだった