「陸…慧だって自分の受験勉強、有るんじゃない?」

爽樹が控え目に言った
確かに、幾ら慧だって自分の大学受験で一杯一杯だよな

「別に…教える事で理解も深まる訳だし、俺は構わないけど?」
「まじで!?や、でも無理しなくて良いんだぜ?」
「別に無理じゃない。俺が解ける範囲でなら聞いても良いから」

はぁー…と、今のは俺の溜息
あーもう、こんな時期になって迷惑かけるとか、最悪だな俺
1番馬鹿な俺の面倒見て慧とか卓真が志望校落ちたんじゃしょうがねぇし
まぁ、落ちるとは思えねぇんだけど、大学受験には何でも有り得るし

「私はもう受験終わったから、大丈夫だけど」

雪姫が人数分マグカップの中に熱いミルクティーを注いでテーブルに置いてくれた

「サンキュー、雪姫。早速頼むわ」
「ん」

ずず。と慎重に啜る

「はぁー。美味しい」

生物の教科書を開いた爽樹が呟いた

あー、美味ぇ