「……………………お願いします」
「何が」

放課後
相変わらず豪勢な部屋の中で、俺は慧に土下座に近いカッコで頭を下げた
返ってきたのはキョトンとした慧の声

「勉強教えて下さい」
「「今更かよ」」

笑いを含んだ卓真の声と溜め息混じりの慧の声がかぶった

「まじやべぇ。このままじゃバカ過ぎて大学入れねぇの!」
「お前、推薦じゃないのか?」
「いやー……それ考慮した上でも?」

苦笑いで慧の質問に答えると、デカい溜め息をついて慧は立ち上がった
そして俺の中々悲惨な結果に終わったテストの答案を眺める

「…もう少し頑張れよ」
「が、頑張ったよ!」
「あー…これは悲惨だねぇ」
「分かってるよっ!」

卓真も慧の後ろから俺の答案をパラパラ眺めて笑った

「陸…部活しかやってなかったもんなー」
「まぁ…そうだなぁ」

確かに新学校に入学した割に何かと運動に理由かこつけて周りよりもやってなかったかもしんねぇ
駄目だな…って今更になって思っても遅ぇよな