「…何か見つかったか?」
「え…ああ、あのケータイ?」

スクバの中から、昨日の黒いケータイを取り出して、慧に手渡した

「家でも色々調べてみたけど、これって目新しい情報は…ユウキちゃんのケータイだって事を裏付ける事ばっかり。これ、確実にユウキちゃんのだよ」

小声で話しながら、教室の外で誰かと喋っているユウキをチラ見した
慧も同じ方向に目を向けて、ケータイを受け取った

「……そうか」

慧は目を閉じると、溜息を吐いた

「…慧、大丈夫?大分参ってんね」
「ああ、正直…昨日から花田も、花田以外も敵と思えてしょうがない…」
「あー…分かる分かる」

漫画とかドラマじゃ、よくある話
友達とか彼女とか学校の先生とか親とか…あとその他諸々の親しい人物が実は敵で、ある日突然それが発覚するってヤツ
そして、主人公は周りが全て敵に見えてあたふたして敵と味方の区別が付かなくなって発狂寸前?

まさか、自分達がそんな少年漫画な気分になるとは思わなかった