「ふー…」

休み時間に入って、イケメンで有名な生物の先生が教室を出て行くと、返却された自分のテスト答案を見た
高校最後のテストも、まぁまぁの出来でしたよーっと

ちらっと慧を見ると、例のユウキと笑顔で話していた
2人の手には丸しか見えないお互いの答案
ハイハイ。どうせ2人とも点数良かったんだろっ

ユウキが慧の席から去っていくと、慧は疲れたみたいに頭を抱えた
席を立って近づくと、慧が顔を上げた

「……卓真」
「どーすか。生物の出来は」
「花田に負けた…」
「マジで?まーユウキちゃん、生物とか理科系は得意分野だからね…って慧もか」
「3年間で初めて負けた…」
「3年間勝ってたんだ…あのユウキちゃんに…で、何点だった?」
「でも現国は勝ったし、世界史も勝った…ああ、数学もか」
「…あっそ。じゃあ相変わらず慧の1位決定だねー。何点だったの?」
「油断すると花田に逆転されるからな」

「…って、質問聞いてる!?何で毎回点数教えてくんないワケー!?」

聞くと、慧はさも当たり前の顔で答えた

「教える必要、無いだろ」
「いーじゃん!こっちのだって教えるっつッてんだろー!?」
「俺は卓真の点数を聞きたい訳じゃないしな」
「じゃー何でユウキちゃんには教えんの!!」
「その質問、前にも答えなかったか?」
「……はいはい。分かりましたよどうせ足元にも及びませんよー」

頬を膨らませると、慧はクスッと笑った
あー、慧は毎度毎度、テスト返却後は機嫌良くなるなー
普通の高校生は逆なのに…