高級感溢れる、茶色い革張りの一人掛けの椅子に深く座り込む
腕を組んで、瞳を閉じて暫(しばら)く考え込む

「なー朱雀さん、俺達にも教えてくれるよな。そのアメリカの事件」
「うん。勿論だよ」
「何?アメリカンなマフィア?」
「俺もそう思ってたんだけど、まさかのチンピラの集まりだったよー。周を連れて行くまでも無かったなー」
「周さん、そんなに強いんですか?」
「うーん。武器を持たせれば陸以上かな。体術も相当強いよ。彼1人で小さい所なら殲滅できるんじゃないかな」
「うへぇ、俺、そんな凄い人と修行するんすか?」

皆の会話を遠く感じながら、思考回路を巡らせる

どうして花田の携帯が見つかった?
本当に花田は関わりがあるのか?
なら、何処で花田は相手と知り合い、どんな事に手を貸した?
何故?花田の家は確か普通の、大きな問題も無い家庭だった
大体、こんなにも簡単に花田の名前を出すのはおかし過ぎる。
もしかしたら花田は捨て駒、もしくは囮。他に俺達と深い関わりのある人間が裏に居ることは…

俺達と深い関わり…
まさか、朱雀さん?

それとも……


卓真、藁間、春樹、陸、高城 の、誰か…?

ああ、駄目だ。考え過ぎだ