「推薦枠で入る大学は、殆ど年間の授業料が高い私立なんです…俺はこの学校に合格した時、神奈川から家族全員で東京に引っ越したし…妹がそこそこの私立中学に入ったんです……だから、妹も居るし、俺は余り授業料のかかる大学へは行きたくないんです」
「…ふぅん」

慧って妹居たのな。初めて知った

「親は金の事なんて気にしなくていいと言ってくれたんですけど、流石に私立の中高一環校で妹を6年間通わせるのは大変ですし……妹はもしかしたら俺よりも頭がいいですから……俺は国立に入ります」
「慧って、いいお兄ちゃんだね。神奈川に住んでたんだぁ」

爽樹が本棚にビッシリ収納された難しそうな本を眺めながら言うと、慧は短く

「別に…」

と答えた

「………」

俺は、海のために何してやってんだろ
何か、兄貴として海のためになってること、してんのかな