「――お!!いかん。大祐!!」
「おー」

「?」

生徒会室の中
いきなり卓真と大祐が声を上げたかと思うと、ガタガタと席を立った

「え…?」

俺の隣に座る未月が顔を上げた
俺もゆっくりと顔を上げる

「!!」

数秒して、俺は目を見開いた
毎日毎日下らねぇことしやがって…

「おい、お前等またっ…」
「わりー慧。俺部活行くわ」

空手部所属(引退したが)の大祐は、俺の言葉を遮(さえぎ)って笑みを浮かべて部屋を出て行った

「俺は自分の仕事終わったからー」

卓真は手をひらひらと振って、大祐と一緒に出て行った

「……ったく」

ガシガシと頭を掻いた
日が落ちて薄暗くなった生徒会室には
生徒会長である俺と
その隣に座る副会長の未月だけ

毎日、あの生徒会本部役員の2人は部屋を出て行く
決して生徒会活動に不真面目なんじゃない
あの2人の目的は、

俺と未月を2人きりにさせること

「…また行っちゃいましたね」

未月は俺の隣で苦笑いを浮かべた

「そうだな…」

しょうがねぇな

「2人だけでも話進めていいか?」
「あっ、はい、どうぞっ」

2人きりになったって
無理なことは無理だ馬鹿2人



pipipipipipi

「!!」

ケータイが鳴った