「ちゃーーっす!!」

私の隣で、春樹が生徒会室のドアを勢いよく開けた

「わあっ!!ビックリしたぁ…」
「ちーっす未月ちゃーん!!」
「か…春日先輩っ?」

椅子に座って、何かのプリントに書き込んでいる未月ちゃんに、春樹が駆け寄った

未月ちゃんと目が合った
すると、ガタンッと音を立てて椅子を立ち上がって駆け寄ってきた

「お久しぶりです藁間先輩っ」
「あ……お久しぶりです…」

何でか分からないけど、随分(ずいぶん)と私は気に入られているみたいで…

「…顔、赤いですけど、どうしたんですか?」
「っ!?あ、赤くない…よ…」


《そんな俺の美顔が好き?》

…この野郎

視線の先で、慧に一方的に話しかけている春樹を睨んだ

冗談…冗談なんて分かってるんだからな…

なのに反応する自分にムカつく…!!
別に美顔なんて思ってない…!!

「つーか、何で雪姫は知ってたんだよ?」

慧に手で追い払われた春樹が話しかけてきた

「何を」
「連絡あったって」
「慧からメールが来た」

春樹は、バッと慧に向き直った

「何で俺にはメールくんねーのーっ」
「…藁間と一緒に来ると思ったから。俺なりの配慮(はいりょ)」
「おお!!やっぱ慧は天才だー!!」

「あ、あの…」

未月ちゃんが、困惑(こんわく)した顔で私を見上げた

「馬鹿だと思っていいよ」
「いえっ、そんなことは…」
「私は馬鹿だと思うけど」
「…藁間先輩、彼氏にも結構言いますね」

そう言って、苦笑いをした