「あー。いーっていーって。気にすんな」

あたしと陸が問い詰めていると、苦笑いで大祐が言った

「別に未練とか無ぇし」
「そ、そっか…?」
「それにしても…何で分かれちゃったの…?」

控えめに聞いてみると、大祐は手を顎(あご)に当てて「んー…」と考えた

「やっぱ学校違ったし。俺、年上だし。あんま会えなかったから他に好きなヤツできたんじゃねえ?」
「マジかよっ!?ありえねー大祐みたいなイケメン振るとか考えらんねえなー」
「……陸」
「ん?」

陸が真顔で呟くと、笑顔を引きつらせた大祐が陸を呼び止めた

「悪ぃけど、俺、ソッチの気無ぇから」
「…?何の気だよ?」
「無自覚かよっ!!」

そうツッコミを入れて、大祐はゲラゲラ笑い出した

「男に「イケメン」て言われたのとか初めてだわー俺」
「そっか?」

あ、何か、大丈夫そうだね。大祐
確かに大祐ってカッコイイのに勿体無いなー

…陸にはかなわないけどね!!(おい


高城 爽樹-タカギ サキ-
3年C組
天才密偵・怪盗