たんっ

軽く畳を叩く音がして
大祐が身軽に畳に立った
そして、空手着の乱れを直して、にやあーっと笑った

「陸なら避(よ)けられるからいいだろ?」
「よくねぇよ~~」

大祐強えもん
でも、エースは譲(ゆず)らねえ!!

「もういっちょ!!」
「おわっ」

大祐が俺めがけて走り出した

「ハァアアッ」

がん。と手首で足を防ぐ

色んな武道を経験して
その経験の中から編(あ)み出した構え

ゆったりと構える、独特の構え

「セァッ!!」

その構えからは想像もできねぇくらいの、激烈(げきれつ)な技
長げぇ足の回転を使った、足技が主(おも)になった攻撃

「ハッ」
「…っとォ…ッ」

隙(すき)も全くと言っていいくらい無ぇ
打ち込みは激烈(げきれつ)
防御(ぼうぎょ)も堅(かた)い


「っせヤっ!!」
「やべっ」

やっと見つけたぜ!隙!!
右足を振り上げた




「ストップストーーップ」

ぱんぱん。

手を叩く音がした