お母さんは優しく知春の頭を撫でた。 「でもね…でも。」 お母さんの声が急に震えだした。 「何日か前の夜中に知春の悲鳴が聞こえたの…。 驚いて部屋に行くと体を震わせて泣いていた。 何度も何度も真季君の名前を呼びながら。 きっと事故の夢を見てしまったのね。 なんとかなだめだけど… その日以来知春の様子がおかしくなってしまった。 まるであの頃に戻ってしまったみたいに…。」