そして知春は話し出した。 「あたし好きな人いるんだ。名前は真季(マキ)。でももう会えない。あそこにいるから…」 そう言って空を指差した。 「死んじゃった…。」 思わぬ言葉に黙ってしまった。 「お願い歌って…その歌、真季が好きだったの。」 また歌おうとしたけど 声が震えて上手く歌えない。