綾乃を部屋まで見送った俺は
優を探しに行った。
まぁ場所は分かってるけど。

「優っ」
「・・・空」

優は必ずここにいる。
中庭の噴水の裏。

「ごめんな、優」
「ううん、へーき」
「プレゼント明日買って来る」
「いらない」

えー。
まぁ忘れてた俺が
1番悪いけど、
そこは貰えばいいのに。

「いらないから、
もう・・・
俺から離れないで。
嫌いにならないで。」

そう言って優は泣いた。
ふぅ・・・。

「嫌ってないよ」
「・・・ほんと?」
「あと・・・
別に女嫌いにならなくても
俺お前のこと嫌わないよ?」
「・・・ぇ」

みんなには沙羅のせいだって
言ってきた。
だけど実際は違う。

優があの沙羅と付き合っていたとき、
俺は気を使ったつもりで、
優に出かけよっと言われても
沙羅と行ってきなよ、ばかり
言ってきた。

だから優は沙羅にひどいことを言われ、
別れた後、
女を避けるようになった。

俺に嫌われると思って。