今の俺じゃ、
綾乃のプレゼントは
喜んで受け取れない。

素直に笑えない。

「・・・優?どしたの?」

どしたの?
さっきの雰囲気から分かるだろ。

「なんでもない」
「えっ!?優!」

俺の手を掴んだ。
俺は反射的にその手を振り払う。

よくその手を見れば、

「・・・チッ」
うっすらとじんましんが。

やっぱり治っていない。
やっぱ駄目だよ。

「やっぱ駄目だ」
「・・・え?」
「お前じゃ駄目だよ」

自分でも分かる。
綾乃にひどいことを言ったと。
残酷な言葉を言ったと。

綾乃は黙って行ってしまった。
でも俺はこの目で見た。

綾乃の瞳には大粒の涙が
たまっていることを。

泣かすのはきっと2度目だ。
ごめんな。
でも悪く思わないで。