信じられなかった。
空が、空が俺の誕生日を
忘れてるなんて。

毎年1番に祝ってくれて、
プレゼントもくれた。

どうして?
どうしたの空?

じゃあ、
祝ってくれなくていい、
プレゼントもいらないから

せめて俺の傍にいて。

俺にとってお前だけが
特別だよ。

俺を唯一分かってくれる存在。
家族よりも大事だよ?

-誰よりも-

「・・・優」
「・・・綾乃」

振り向くと、
戸惑っている綾乃がいた。
俺を慰めにでも来たのか?

「あの・・・これ」
綾乃の手元には
綺麗にラッピングされた袋。
「何?」
「えっと・・・プレゼントです」

正直、嬉しかった。
遥のも嬉しかった。
優雅のも。
輝の俺の好物を作ったことも。

だけど、1番欲しかったのは

綾乃のでも、輝でも
遥でも、優雅でもなかった。