「優ちゃん、はいっ!
プレゼントーっ!!」
「・・・あ、ありがと」

遥が手渡したのは、
少女趣味のうさぎのぬいぐるみ。

「遥、それおかしいぞ」
「えーなんでー?」
「・・・まぁいいや」

なんか優かわいそうだな。

てか、そういえば・・・
「ねぇ空は?」
空がいない。
優も俺に言われて
寂しそうな顔をした。

「なんか疲れてるみたいだから
声かけなかったんだけど・・・」

すると廊下から
ふらふらと空が来た。

輝も優も遥も綾乃も
空の下に駆け寄った。

俺はコーヒーを飲みながら
座ったまま。

空はテーブルの上の
ケーキを見て、
部屋の飾り付けを見て、
こう一言言ったんだ。

「・・・何、
やってるの?」

ガチャンッ

俺は持っているカップを落とした。
俺だけじゃない、
みんな空を見て驚く。

優は1人すごく悲しそうな笑顔を
浮かべてこう言った。

「なんでっもない・・・、
たま・・にはケーキもいいかなって」