「で?そのビー玉は?」
「・・・これ」
「また・・・豪快な」


無理矢理穴を開けて
ネックレスにしてある。

「で?彼女に出会っちゃったと」
「遅すぎた」
「・・・え?」

「気づくのが遅過ぎた」



だって彼女は多分、ううん、絶対
他の子を好きになっている。


そしてそいつも、
きっと彼女を好きになる。

それが親友なんて・・・
俺はそいつから彼女を
とることはできない。

「空?」
「・・・なに?」


鼻をすすり始める俺。


「俺は人を好きになるのは
早いもの勝ちじゃないと思うよ?」


「いや、俺のほうが早くね?」
「ははっ、それでもさ、
いくら親友だからって自分の気持ち
押し殺したら駄目だって」



輝の一言は俺にとって
嬉しすぎて、
心が痛む。

そして無意識に、
俺の瞳から、頬を伝わずに
雫がこぼれる。

輝は黙って、
俺を慰めてくれた。