そして探し始めて3時間。
少し日が落ちてきた頃。

「ありがとうございますっ!
ありがとうございますっ!」

子供の親が見つかった。
何度も俺たちに頭を下げた。
「いえいえっ!」

綾乃は子供と親を見送ると
俺のほうを向いた。

「優ありがとねっ!」
「何が?」
「一緒に探してくれて!」

いや、俺何もしてない。
っていったら、
そんなことないよっ!って
綾乃は笑った。

「おっ優!綾乃!」

優雅とその連れが来た。
女は優雅の手に自分の手を
重ねている。

「・・・彩香!?
大丈夫なの!?
そいつまじでやばいよ!?」
「お前・・・
いい度胸してんじゃねぇか?」

そして口げんかが始まった。
もちろん俺は、

・・・・

止めない。

2人の喧嘩を眺めていた。
綺麗な夕日も眺めながら。