綾乃と遥と連れの女と
カラオケに向かってる。

さっきメールで優雅は
後から来るらしい。

綾乃の横で歩いていると、

「ママーーーっ!」

男の子の泣き声。
「ママァどこーっ!?」

どうやら迷子だ。
すると1人の女が男の子に声をかけた。

「僕、迷子?」
綾乃だ。
「ヒッくッ・・・うん」
「そっか・・・じゃあお姉ちゃんと
一緒にママさがそっか!」
「・・・うんっ!」

すると綾乃は俺のほうを向いた。

「あたしこの子の親捜すから
優はどうする?」
そう言われたら、

「ハァー・・・行くよ」

こう言うしかない。

綾乃は遥に一言声をかけて
男の子の右手を握り歩き出した。

こういうのは俺の中では
おせっかいに入ってしまう。

でも、
男の子に笑顔で話しかける、
綾乃の横顔、

俺は嫌いじゃなかった。