「優は私のおもちゃよ?」
「おもちゃ・・・?」

あなたは何を言ってるの?

「優は私のことが好きだから、
私が呼べば来てくれるし、
私が泣けばかばってくれるわ?」

この瞬間、
沙羅さんの素顔が分かった気がした。

「あたしに言ってもいいんですか?
優に言うかもしれませんよ?」

こんな脅しみたいなことしたくなかった。

「言いたかったらいいわよ?
私が泣けばを信じてくれるもの」

声を上げて沙羅さんは笑った。

「沙羅さん、聞いていいですか・・・?」
「なぁに?」
「あなたにとって優は何ですか?」
「さっきも言ったじゃない笑
優は私のおもちゃよ、お、も、ちゃ」

もう我慢の限界。
「ごめんなさいっー」

あたしは涙をこらえて、
沙羅さんをひっぱたこうとした。

完璧に優に嫌われてもいいから。

パシっ

「っ!?」

聞こえた音はあたしが
沙羅さんを叩いた音じゃなかった。

「優っ・・・!?」

優があたしの手を掴んだ音だった。