「・・・ハァッ」
疲れた・・・

あたしは寮を出て庭に来た。
「・・・今度こそ嫌われちゃった」

少し笑った優を見て、
少し近づけたかな?

そう思ったけど・・・
お前なんか・・・嫌いだ
この一言を聞いた瞬間、
胸にとげが刺さった感じがした。

「あのー・・・?」
綺麗なソプラノの声。
「・・・沙羅さん」
「私、あなたとお話してみたかったのっ!
隣いいかな??あなたのお名前は?」

正直、話すこともないし、
会いたくもなかった。

「・・綾乃です」
「綾乃ちゃんねっ!」

名前も呼んで欲しくない。

「さっきはごめんね?
優が怒っちゃって・・・」
「どうして沙羅さんが謝るんですか?」
「え・・・?だって優は私のものだからっ
だから私が謝るのは当然じゃない?」

面白いね綾乃ちゃんって、と
笑いながら言う沙羅さん。

優は私のものだから?

それは誰が決めたの?

それに・・・

「優はものじゃありませんよ?」
そう少し強めに言う私に向かって、
沙羅さんが放った言葉はー