空が部屋に来て叫んだ瞬間、
人が人を叩く音が鳴り響いた。

「優雅!綾を!」

一瞬動揺した俺も
冷静さを取り戻した。

優が綾を叩いたのだ。

「おい!綾乃!大丈夫か!?」
「・・・う・・ん」

「優!やめろっ!」

空はまだ叩こうとする
優を必死に止めようとしてる。


「何が可哀相だよ・・・
お前は俺の何を知ってんだよ!?
勝手なことばっか言うな!
お前なら少し話せるかもって
思ったけどやっぱ違う。
お前なんか・・・嫌いだ」

綾乃の目に涙がたまる。

「あっおい!」

綾乃はまたどこかへ行った。
俺は見てしまった。

優の後ろで、
クスッと微笑む沙羅を。