「綾っ!?」

綾は走っていってしまった。
俺も追いかけていた。
無意識のうちに。

「綾っ!!」
綾の手を掴んだ。
正直走るのは得意。

「は・・・なしてっ」
「綾」
「大丈・・夫だ・・・から」

どこがだよ。
と、心の中でつっこんでみる。

「教えようか?」
「え?」
「あの2人の関係」

正直この質問はあまり
言っちゃ駄目かもしれない。

今で言うKYなのかも知れない。
でも、俺は最低だから聞く。

「・・・うん」

この返事も意外だった。

「分かった」

俺は語り始めた。
優の切ない過去を。

「3年前ー」